自家精米機と委託精米の現状
地酒の売れている蔵は新しく精米機を設置したり増設をしているところがある。また旧型機を省エネ効果の高い新型機に入れ替えている蔵もある。コメの栽培から精米まで自社で管理しているというストーリーを大切に考える蔵元が増えてきている影響だと感じる。
委託精米については酒米だけの精米工場は減少している。全国的にみても主食を中心に酒米、味噌、煎餅、
焼酎にも販売して総合的に運営されている精米工場が残っている。一部の蔵元は自社精米へのこだわりを
感じておられるがコストや人手の問題もあり、自社精米から委託精米に切り替えておられる蔵元が増えている。
しかしながら、精米工場として品質面から考えると蔵元からまだ大きな信頼を得ているとは感じられない。
その問題解決には蔵元に安心して頂ける様なルール、業界標準が望まれていると感じる。蔵元から見て安心できる品質やトレーサビリティの仕組みについて透明性を高めることが必要である。
当社の精米工場は全国の蔵元130社以上から精米を請け負っているが、毎年増加を続けている。精米需要は上がってきておりこれからも増え続けていくと思われる。
本年の山田錦について
昨年12月農水省発表では、26年産山田錦は48万俵程度の検査実績が公表された。26年産がほぼ需要を満たしていることから27年産は供給過剰になる可能性が高い。27年産の酒造期は26年産の持越しが十分あると見る。
山田錦が増えてきた原因として、精米率の高い純米大吟醸酒が好調で山田錦の需要が高くなっている日本酒業界側の事情と主食用の米価が下がってきた生産者側の事情がある。
一方、減反枠外で酒造好適米を作ることに関して、今までは酒造好適米も主食扱いだったが、蔵元の希望を
聞いた上で26年産から減反枠で酒造好適米を作ることができるようになった。農家にとっても蔵元にとっても良かったことであるが、数量契約がいることから無尽蔵に増えていくことはないと思う。
日本酒支援について
新中野工業は『酒蔵萬流』をこれまで5号発刊しておかげさまで良い評判を得ている。製品の宣伝ではなくあくまでも蔵の技術と人に焦点をあてて誰がどんな考えで酒を造っているかを紹介することで、蔵元や日本酒に関心の高い流通業者、飲食店、日本酒のファンの方が読むと面白いと感じていただけていると思う。
日本酒をもっと知ってもらうために日本酒の情報発信ツールとして取組んでいる。
飯田グループは日本酒関連の事業を多く行っているので、日本酒の商品だけでなく造り手の情報や多様化した商品の案内などで、おもしろみが消費者の方に感じていただければ事業としての発展が見込める。グループとして日本酒ファンを育てていく地道な努力をしていくなど、これからも飯田グループを挙げて日本酒の支援に取組んでいく。
また、新中野工業との役割としては、清酒製造に関してコメ作りや酒造工程の情報は業界内外に比較的たくさんあるが、精米という所は非常にわかりにくいと思われているようだ。そのためにも品質向上を含めて蔵元の信頼をいただけるよう透明性の高い精米事業を目指していく。


