新中野工業 | 醸造用精米機メーカー

業界状況と原料米問題について

業界状況

 最近の日本酒は、純米大吟醸などの特定名称酒を、ワイングラスなどで格好よく飲むファンが増えてきている。 一方、従来の上撰、本醸造の飲酒層は高齢化と共にだんだんと飲まなくなっている。高級酒ファンは、女性や若い方が多く、イベントなどにも足を運んでいる。酔うことが目的ではなく雰囲気や話題に楽しみを求めているようである。
 今後に期待したいが、増えているのは毎日晩酌する方ではない。新しいファンは増えるが、一方で従来の日本酒ファンは
高齢化とともに減っており、しかもこの層が求めている価格は安いほうへ移行している。

原料米問題について

 山田錦を原料とした人気銘柄が売れていることもあり、H25年産は、一部メーカーでは明らかに不足であったが、業界全体ではそれほど大きな不足感はなかったのではないか。農林水産省の制度見直しにより、今年度26年産からは減反枠での好適米の生産が認められた。そのこともあって新しい山田錦の産地が出てくる。兵庫の従来の山田錦の生産農家も減反枠で山田錦を作ることにも取り組んでもらえると聞いているので、概ね需要量がまかなえると思われる。
 蔵にとっては安定的に品質の良い物が欲しい。安いのにこしたことはないが、安定的に供給されるためには農家にとっても生産意欲が沸くような価格設定が必要である。いくら安い方がいいと言っても、価格以外にも品質と安定供給は蔵元にとって大切な要因である。価格・品質・安定供給がバランスよく長く続くように持っていくべきである。蔵元も毎年、原料が変わったのではやりにくいと思う。ただ、国の政策で原料米事情が右にも左にも振れてしまうのが現状である。

委託精米について

 機械販売と同時に、精米を蔵元が一社一社でやるより価格面でも品質面でもメリットがあるということで、弊社は委託精米の請負を拡大してきた。数年前に1万俵だったものが、現在年間6万俵まできている。
 精米機は付帯設備をどれだけ付けるかによって、値段が大きく変わってくるが大きな投資が必要である。便利で、夜中に人がいなくてもいいようになっており、仕事がしやすい環境にはなっているが、春から夏は精米を休まなければならないので、人件費負担の問題がある。また、コンピューター制御なので、修理の対応、部品問題などもある。古くなればどこかで新しい精米機に切り替えなければならない。個別の蔵元で設備をすることはどうしても高くついてしまう。
 今後、どちらかというと委託精米は増えて、自社精米はやめる傾向にある。それだけに委託精米に対しては蔵元さんからの信頼に応えうる基準を作っていかなければならない。ごまかしなどあると、当然酒質に影響を与える。同業の精米工場とともに品質レベルを上げていく努力を続け、蔵元さんと信頼関係を築き上げていきたいと思っている。
 

2014年4月25日 醸界タイムス

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